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根の先の病巣は基本的には本来の神経(歯髄)の管と、治療のため便宜的に拡大した空洞を充填材で緊密に封鎖できれば、細菌の生息場所がなくなり自然に治癒に向かいます。 しかし再治療においては根の管の閉塞部や穿孔部の存在によって患部への追求が不可能のため確実な治癒がえられない場合もあります。 臼歯部位では3本の根の1本が治癒不全なだけで不快症状が解消しきれず、繰り返しの治療も無駄になることもあります。 以下の図は治療の困難な根の管の状態を示していますが、実際はこれらの組み合わせによりさらに問題を複雑にしている場合も認められます。 このような状況では歯の内側からの保存的治療には限界があるため外科的に直接患部の病巣を取り除く治療として、根尖切除療法や歯牙再植治療(一度抜歯して根の先を処置してまた元にもどす)をおこなうこともあります。 |
| 根尖1/3での根管形成の問題
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1.切削屑による閉塞
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2.根尖孔のロート状の穿孔
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3.解剖的根管方向外へのズレ
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4.解剖的根管外への穿孔
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5.感染した側枝の追求不能
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6. 複雑な根管形態で追求不能
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7. 周囲歯質に腐食が進行
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8.根の亀裂や破切
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*解剖的根管に沿った理想的根管形成
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理想的根管形成(根尖部)
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何度か過剰に拡大された根管
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X線写真には適正に充填がされているようにみえる
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輪切りにした状態ではいびつな根管形成となっている場合も多い
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もっとも適合するサイズの充填材を選んでも隙間が出来易いため根の先からの汚染を閉鎖できない
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イラストのなかでは歯髄腔もわかりやすく広めに描いており、形成方向の狂いが起こるようには見えませんが、実際の根の先(根尖)近くの歯髄腔は加齢により、この図よりさらに狭窄しておりますので、適切な器材と繊細な作業なくしては、熟練者でも簡単にこれらの形成失敗に陥るものです。 またこれらの例とは別に歯質深部へのバクテリアの感染や、根尖部位でのいわゆる細菌バイオフィルムの生成のような複雑な問題を抱えた慢性の症例は、再治療による根管形成・充填が成功しても病理学、組織学的治癒にはつながらない場合も多く、適用可能部位での根尖の外科的切除、再植治療を行う方法もありますが、非適用歯で不快症状が強ければ抜去するしかありません。 |
追補
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虫歯や歯周病の進行の結果やむを得ず歯髄(神経)を除去した場合、その後の感染した根管歯髄腔を機械的に拡大消毒し、防腐的な材料を用い緊密に閉鎖することが必要です。一般に防腐材の充填の不充分さや根上部2/3での根管形成の失敗は残念ながら術者の不用意さや未熟な技量に拠るものが殆どですが、臨床で多く見られるのは急患の歯髄除去治療時に多く起因する根尖側1/3での根管治療の不成功です。 イラストのような状況下では、深さ1〜2cm以上の距離、幅計1mm以下の困難な作業スペースで1/100mm単位の手探りの方向変更や極小の管の探索が不可欠となり、再治療の成功率の低さの成因ともなっております。それゆえ、根の治療については初回時の治療精度が最後まで影響するといえます。その意味では、患者さんにとってムシ歯が痛み出す前のなるべく早い受診が、困難な根の治療を回避し歯を良い状態で保つ最善の方法です。 現行の健保制度のもとでは急患扱いでは根の治療に必要とされる十分な治療時間の確保は出来にくいことも認識されてくださいませ。
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